カテゴリー別アーカイブ: 動物

水中のオオウナギ(アーカイブ)

Soounagi 夜オオウナギを見ることは意外に容易い。いる場所に行けばただ会える。夜行性だし、基本的には縄張りに近いものを持っているので、よほどそこの環境が崩れて逃げ出したなんてことでもなければ大丈夫。

一方、昼間にオオウナギを見たいとなれば、これは運だ。暗い森の暗い淀みになら、昼間でも浮かんでいて姿を見せることもある。

が、川で泳いでいて、オオウナギを見つけたとなると、これはかなり運がいい。しかも大小合わせて4匹ほど見つけた。うちの一匹は穴から顔を出しているわけでもなく、悠然と泳ぎ、石のところで立ち止まって、下を覗き込んでいた。なかなか可愛い。

オオウナギは島では「オニ」と呼ぶ。味に関しては内地のウナギに及ぶべくもないが、それでも料理次第ではかなり美味い。方法はまたどっかで。

アシダカグモ♀

Sp6270233 屋内性のクモの中では日本最大になる。情報では足を広げたらCDRほどの大きさまで成長するらしい。でかい!

が、彼らはまさに益虫。沖縄の家では年中暖かい為か、内地よりもゴキブリが多い。しかも巨大だ。その巨大ゴキブリを食ってくれるのがこのアシダカグモ。内地にもいるが、もともとは熱帯亜熱帯から移動していった種類らしい。ならば、やはり沖縄では内地よりも元気で活発であろう。

網ははらず、徘徊性。敵をおっかけその顎でかみ殺す。家に2,3匹いればその家のゴキブリは根絶されるほどの素晴らしいハンターだ。確かにいざ走りだすと非常に足が早く、ゴキブリと言えども簡単には逃げられまいと想像させる。

しかし、その大きさ、毛が生えた体を見るとなんとなく毒蜘蛛のようで不気味である。したがって、益虫と理解する理性よりも心理的な嫌悪感が先に立つ。そして相手を見た目で判断しては駄目です、と言われた子供時代と自分はなんにも変わっていないことに気付く。

さて、写真のアシダカグモは♀である。何かを抱えているように見えるが、これは実は自分の卵を糸で覆った卵のうである。これを口で咥えて成熟するのを待っているのだ。そしていざ卵が成熟すると壁に押し付け立ち去る。そしてその卵のうからは沢山の子蜘蛛たちが袋を破って現れ・・・。まさにクモの子を散らしたように我が家中へ散っていくのか?ううう・・・なんとなくいやだ・・・。やはり屋外にご退場いただくことにした。

ツノメチゴガニのばんざ~い!

20070531chigogani 西表の干潟のカニと言えば、やっぱりミナミコメツキガニなのだが、彼らが群れる河口近くではない、中流ぐらい石混じりのちょっとした浜(これも満潮時には水中なので一応干潟)にもようく目を凝らすと、可愛らしいカニがいる。これはツノメチゴガニ。小さな小さなカニだが、大きな手袋を着けたような両のハサミがいい。そして目には角状の突起がある。

小さな穴を巣穴にそこから3歩ほど出てきて食事をしながら踊っている。この踊りもウェービングの一種。雄が雌にアピール中。ウェービングといえば、シオマネキだが、どうしてどうして。チゴガニのアピールはなかなか表現力たっぷり。実感がこもっています。

両の手で大きく、

「ばんざ~い!君にあえてよかった!」

イカの卵のう

S20070424ika 上陸した砂浜で半透明な海藻らしきものがいくつか打ち上げられていた。たまたま目にしたそれが、なぜか気になって拾い上げてみた。プヨプヨした触感。海藻らしくない。で、光に透かして見ればハイこの通り。1房1房にはもうすぐ泳げるぐらいに成長したイカの赤ちゃんが。かわいい。

おそらく近場の海草の間に生みつけられていたものが、何らかの原因で海草からはがれ、流されてきたのだろう。海に戻してみたが、すぐに浜に打ちよせられる。はがれてしまった以上、もう、駄目なのかも知れない。

ならば、持って帰って食べてみるかと思い、まずそのまま味見。う~む。イカの味はしない。ぷちっと噛み潰した卵のうから染み出す、海の味そのままの液体はまるで美味しくないし、少し気持ち悪い。家でも誰も喜ばないだろう。

というので、写真だけとって、少し沖まで持っていって流した。多分駄目だろうけど。

サンガツサニチの獲物

Sp4190004 旧暦3月3日。女性が海に足をつけ、一年の息災を願うという行事がある。サンガツサニチもしくはハマウリ(浜下り)という。実際にただ海に足をつけるだけという人はあまりいない。この日はとにかく潮が引く。リーフまですっかり陸地になるぐらい引く。なので、みんな陸地になった海を歩き回り、獲物を探すのだ。つまりは潮干狩りである。

それには男も女も関係ない。女性の狙いは貝にモズクといった動かないものが多いが、その中でもオバアと尊敬を込めて呼ばれる人種はもっといいものを狙う。潮溜まりに残った魚、イカ、そしてタコである。これは主に男の領分であるが、オバアはしっかりこういったちょっといい獲物を狙う。

さて、僕はなぜかタコヤキがずっと食べたかった。とにかく食べたいのだからしょうがない。しかし、妻にはにべもなく「タコがない」と断られた。そんなあくる日、これがたまたま3月3日である。妻が採りたいというモズクのある場所を下見に、僕はまだ潮が高いうちから予定地周辺を潜ってみた。そして砂地にボコッと珊瑚が突き出た場所で珊瑚の下から何か赤黒いものがニョキッと出てきて、近くを泳いでいたアバサー(ハリセンボン)を一瞬で膨らませたのを目にしたのだ。そのニョキッはアバサーの針に触れて一瞬で珊瑚の下に引っ込んだのだが、僕は見逃さなかった。

たこだ。逃さぬ!今日はタコヤキだ!早速タコ捕獲にかかるが、今は下見の為何一つ持ってきていない。とりあえず素手で、と手を突っ込んでみるが、あのベタベタの吸盤に吸い付かれて躊躇する。珊瑚の穴から追い出してからだなと思い直し、今度はシュノーケルでタコをこちょばしにかかるが、逆にすごい勢いで引っ張り込まれ、引っ張り合っているうちにシュノーケルの先端部を奪い去られてしまった。これは駄目だ。近くの友人にイーグン(先端が曲がった銛)を借りてこようと考え、一端休戦することにした。

ただ、ただ休戦ではその間に逃げられても困るというので、近くの石を集めてタコの穴に厳重な蓋をする。同時にすぐに戻ってこられるよう、赤いフクロを珊瑚に結び付けて目印とした。

さて、友人はいなかったものの、近くを通ったオバアにイーグンを借りれたので早速もう一度挑む。イーグンの先でタコをこちょばすように触り、穴からおびき出すのだが、下手糞なのでなかなかタコも出てきてくれない。巧い人ならほんのコチョコチョである。が、格闘すること30分。敵もあまりの僕の下手さ加減にあきれ果てたのか、穴の奥からようやく体を現した。すかさず、胴体(俗にいう頭)をわしづかみにし、岩から引き剥がす。そして目と目の間の急所を一突き。ついに捕らえた。大きなタコだ。

辺りには、浜下りにきた子供たちが集まっていて、ちょっとしたヒーローである。

が、残念ながら僕の期待のタコヤキだが、「こんな上等なタコでは勿体無い!」と断られ、結局食べさせてもらえなかったのである。そんなのってない・・・。

天然記念物キシノウエトカゲ

Kishinouetokage 朝、一番、まだ夜露の残る山道で、木洩れ日に日光浴をしているキシノウエトカゲに出会った。

少しエラが張っているのでオスだろう。彼らは日本一大きくなるトカゲである。小さな時はよくいるような尻尾の青い所謂トカゲ。

それが何故、この種類だけこんなに大きくなるようになったのだろうか?餌が豊富だからか?外敵が少なく身を隠す必要がなかったからか?だとするとヤマネコはどうだ?立派な外敵である。外敵説ならば、ヤマネコはこいつらよりも大分後に島に来たとしなければならないだろう。疑問は残る。

しかし、久しぶりに写真を撮れた。って自分ちの庭にもいるんだけどね。

今日の魚

Sakana 今日はよく釣れた。

上から小さなハタに仲間。コトヒキ17センチ。フエフキダイ2匹20センチ。ガーラ(ヒラアジ)31センチ。ニジョウサバでかい。本当ニジョウサバはでっかかったなあ・・・。ガーラは上げるのにだいぶ苦労しました。小さな上4つはその場で刺身に。

ガーラは塩焼き。サバは勿論味噌煮にします。だって、刺身よりもご飯のおかずになるんだもの。(笑)

サガリバナとアカショウビン

Akasyoubin1 川に突き出た枯れ枝に留まり、小さな魚を狙うアカショウビン。沖縄を代表する夏鳥である。「キョロロロロロ・・・」という鳴き声は非常に美しく、またその姿も素晴らしい。同じ亜熱帯である奄美で暮らした日本画家、田中一村の絵にもよく登場する。

そして、アカショウビンのいるすぐ脇にはサガリバナの蕾がいくつも垂れ下がり、川面には落ちた花さえも浮かんでいる。絵になる。素晴らしいシチュエーションである。

奄美にはサガリバナはないのか?一村ならば、これぐらいのシチュエーション、想像で構成して描けただろうに・・・。

サキシマスジオに遭遇

Sakishimasujio 夜中に大雨が降った次の朝である。お客さんと話をするのに後を振り返っていて、次の一歩を下を確かめずに踏み出した。

思わず声を上げてしまった。噛まれる!そう思った。なにか長細くて丸いものをグリッと踏んでしまったのは分った。そいつがすごい力で動いたのも分った。ハブを踏んでしまったのだと僕は思ったのだ。

しかし、噛まれることはなく、よく見てみると確かにヘビを踏んではいたが、ハブではない。大きい。日本最大のヘビ、サキシマスジオだった。ハブではなければ、怖れる事もない。逃げて行きかけたスジオを今度は尻尾を持って捕まえる。次に鎌首をもたげる頭を軽く踏んで首を反対の手で捕らえた。凄い力。捕らえた僕の腕に巻きつき、締め上げる。

しかし、でっかいスジオだった。残念ながら全身の写真がないが、2メートル50ほどあっただろうか。

カグラコウモリ

Koumori1 雷を避ける為に入った洞窟。さほど深いわけでもないので光が射し込み結構明るい。何か臭い匂いがしたのだが、やがて頭上を掠める気配でコウモリがいることが分った。落ちている黒いものはコウモリの糞なのだ。

見ていると驚いた訳でもなさそうだ。目が慣れれば上に4羽ほどがちょっと離れてぶら下がっている。と、外から一匹が帰ってきた。そしてなんとすぐ眼の前の壁にぴたっと止まったのである。これはチャンス!フラッシュをたかないで撮った為、ややピンぼけ。しかし、カメラの液晶を見て驚いた。これは、子供を抱えている!

後から調べた結果分ったのは、彼らがカグラコウモリという世界でも西表、石垣、与那国にしかいない珍しいコウモリであるということ。生息環境を脅かすことはやめた方がいい。

ま、だけどコウモリさん、雷よけです。勘弁して~!