月別アーカイブ: 2006年1月

ササクサ

P1010006 冬の山路を歩くなら、ズボンは綿は絶対避けたい。できれば、カッパのようなシャカシャカした生地のズボンがいい。

山道にはササクサがいっぱいその尖った実を人の通る方向に向けて立っている。別名サシクサ。ササクサの実は触れれば布地に突き刺さり、大変な目に合う。しまったと思っても遅い。手で一つづつ取っても、先っぽの方が生地に突き刺さったまま残る。しかも、この尖った先っぽがチクチク痛い。

簡単な方法は、洗濯してしまうこと。大体上手に取れる。だが、やはり残る。それは丁寧にピンセットしかない。何もすることがない、一里の夜長にはもってこいだけど。

ハスノミカズラ

P1040110 種が好きだ。特に硬い野生のマメ類は好き。まず綺麗だし、次に見ていて飽きない。

で、久しぶりにこのマメを見つけた。よく混同されるシロツブではなく、ハスノミカズラと言う。因みにシロツブは石垣西表ではほとんど確認されていない。特に自生の豆果は。

ハスノミカズラはその莢の棘が恐ろしい。拷問道具「鉄の処女」のようである。しかし、種は小さな鳥の卵のようで、硬くてコロコロして可愛い。なので、林床を探してみる。と、誰かが念入りに探したような形跡が。こりゃあ駄目だ。他にも目をつけている人がいる。と思い、じゃあ、今年の今なっているこの莢の中身だ、と思う。ちょっと振ってみたが、まだカラカラと完熟した時の音がしない。まだ採れない。でもこういうものは原則早い者勝ち。う~ん、2月末まであるかなあ・・・。

イシガキゴマフカミキリ

Isigakigomahukamikiri 道端で休憩していると、突然飛んで来た。カミキリムシにしては、いやに触覚が短い。長いものがいるのに対し、なんでこんなに短いものがいるのだろう。考えられるのは、生活において長い触角が邪魔になるからか。それはどんな環境だ?大人になっても枯れ木の中などで生活でもしているのか?などと考えていた。因みにこの種は各島で固有亜種に進化しているそうな。だから、こいつは、イリオモテゴマフカミキリと呼んでもいい。

が、本当はそんなことはどうでも良かった。ここに載せたかったのはキャツの写真などではない。こいつのことを考えていた時、頭上で鳥の留まる気配がした。なんだろうと、立ち上がり、様子を見る。梢の上、すぐ5メートルほどのところにいたのは・・・

ヨナグニカラスバトだった。おおおすげえ!興奮を抑え、そっとカメラに手を伸ばした時、しかし、カラスバトは無情にも飛び立ってしまった。撮れなかった。本当に悔しいのである。

アオイボクロなのか?

P1040112 天気がいいので、散歩に出かけてみた。

別の植物に気をとられ撮影していたら、その樹下に目立つ存在が。花は終わっている。果実をつけた花茎が一本すらりと伸び、葉も見えない。これは、なんだろうと悩む。直感的にアオイボクロを思い浮かべた。アオイボクロ自体は図鑑以外、全く見たことがない。しかし、果実がランのそれに似ている。しかも、果実がとても大きい。

ランは多年生が多いので、これも来年また咲くかもしれない。自分の想像が当っていたかどうか、また確かめねばならない。こんなふうにして、楽しみだけども、せねばならぬことがドンドン増えていくのだなあ。

アコウはグロイか?

P1010053_1 川を行く途中、一際目を引く、赤っぽい木がある。近づいてみれば、赤いのは幹から無数に飛び出た疣ならぬ、果実。無花果の仲間のアコウだ。熱帯亜熱帯の植物にはこんなふうに幹から直接実をつける植物が結構ある。

ちょっと見にはグロイ。しかし、このグロさ、この実が大好きなアオバトなんかにとっては素晴らしい光景に映るのだろうな。傷ついたアオバトを飼っていたことのある僕は、その頃苦労してこの実を集めたことを思い出すのです。

箱庭

P1010108 ギランイヌビワの木の股がすごいことになっています。

見事なオオタニワタリが着生し、そこにはちゃっかりクワズイモが場所借り。おそらく、オオタニワタリが一所懸命上からの落ち葉なんかを分解して作った僅かな土に生えているのでしょう。その下にはサクラランまでぶら下がっています。みんなちょっとでも住めると思ったら、すぐに侵入しますね。

おそらく西表島の森は、実は西表島の集落以上に住宅事情が悪いのでしょう。

この箱庭というか植物コングロマリッドをこれからも追い続けたいと思います。

一番見たい瞬間は、サクラランの花がぶら下がり、ギランイヌビワが幹から気持ち悪いほどに果実をぶつぶつつけていて、上ではクワズイモが赤い実をつけているというもの。ついでにオオコウモリがぶらさがっていてもいいし、クワズイモの葉っぱにヤエヤマアオガエルが乗っていてもいい。う~ん、楽しみ!