月別アーカイブ: 2006年5月

イジュの花開く

Iju1 ツバキ科のイジュ。大ぶりな花を葉が集まった枝先の更にその上に沢山つける。したがって椿などよりも花は良く目立つ。しかも、かなりの高さになる木だ。車を運転中でもよく目に付き、とても存在感のある植物だ。

特に入梅したこの時期、イジュは見事にあちこちで咲き誇り、この季節を象徴する花となる。去年、娘が生まれた時、石垣の野山で咲いていたのもこの花だった。

だからか知らない。僕はそれだけでこの花を愛しく思って優しく見つめてしまう。娘と同じように。

リュウキュウメジロの営巣

Ryuukyuumejiro1 リュウキュウメジロが民家の植え込みの中で営巣をしていた。どこかに飛んで行ってはなにか白い羽のようなものをくわえて帰ってくる。よく見れば実際、鳥の羽のようだ。何度もそれを繰り返す。

飛んでいく先をよく見定め、メジロの姿を気にしながら、のぞいてみた。

びっくりした。メジロがついばんでいるのは民家の軒下で果てているリュウキュウキンバトの羽毛だったのだ。キンバトは窓にでも激突して死んだのだろう。その柔らかそうな脇の羽毛を選んで咥えて飛んでいく。そうなんだ~。へえ~。

こういうこともあるものなのだと、メジロのような小鳥にひそむたくましさを見た。

タイワンガサミ

Taiwangazami1 いわゆるワタリガニだ。潮のひいた干潟の上で水溜りに取り残されていたのを捕まえた。鋏が危険なので帽子で掬って陸に上げた。

西表でガサミと言えば、大型のノコギリガザミのことだが、内地でガサミと言われるのはこちら。非常によく泳ぐ。また、色合いも美しい。

美味しいのだが、ノコギリガザミを食べている人間にとっては身が細くて食べ応えが無いというのが正直なところ。味噌汁にでもするかと思ったが、一匹ではしょうがないので結局逃がしてしまった。また、脱皮直後でもあったのか、少し甲羅が柔らかく、動きに切れもなかった。こんなのは食べてもスカスカで美味しくなかっただろうな。

サクララン

Sakurarann21 樹上からぶらさがる蔓。そして分厚く鈍い光沢のある作り物のような葉。その途中にぶら下がる可愛らしい花の塊。こちらなどは更に作り物のようだ。

これがサクララン。ホヤなどとも言うが、ホヤでは魚介に間違うのでサクラランの名前が可愛くていい。桜の花のように幾輪が集まって咲く様子、その花の色、やはりサクラランがいい。

が、残念ながら実際は蘭ではない。ガガイモ科というキョウチクトウ科にわりに近いところに位置する仲間だ。そう言えば、同じ蔓植物でキョウチクトウ科のテイカカズラなどの果実とそっくりの果実をつける。細長い莢状で、熟するとそれが割れて中から綿毛のついた種が飛ぶのだ。

タカサゴシラタマ

Takasogosiratama1 渓流沿いのわりに背の高い何気ない木が、この時期、あっと思う変化をする。その枝中にピンク色の可愛らしい花を沢山つけるのだ。

以前からよく道に落ちているこの花は見かけていた。なんだか、花らしくない作り物のような質感。でも本当に可愛い。しかし、名前が今年になるまで分らなかった。だが、ようやく図鑑で調べることができた。

載っていたのは唯一平凡社の「日本の野生植物」のみ。図鑑というのは一つでは足らないものだなあ。この植物、石垣と西表にしか国内では生えていないマタタビ科の植物。この後、名前の通り可愛らしい白い液果が鈴なりとなる。楽しみだ。

モクタチバナ

Mokutachibana1 モクタチバナがよく咲いている。ヤブコウジ科の花で合弁花。川沿いでフワフワと白い花の塊が目立つ。

それだけ花が小さく沢山つくということだが、あまり、気にされるものでもない。だが、よくよく見れば、反り返った花弁の中におしべが偉そうに反り立って自己主張している姿がなかなかいい。

まあ、切花にはならないなあ。

因みに西表の山の悪者の一つ、ヤマンギ(イワサキカレハの幼虫)という毒のある毛虫はこの木を好んでよくひっついている。

ニジマルキマワリが周る

Nijimarukimawari1 キマワリと聞くと、「コマワリくん」をまず思いつく自分は歳なのかも知れない。キマワリとは木周り。このムシが人が近づくと陰に逃れようとくるくる移動することから名が付いたようだ。

ニジマルキマワリは、名前の通り、丸く黒い体に七色の金属光沢が美しい。しかし、ゴミムシダマシ科のこの昆虫、科名がまずいけていないが、さらに触ると薬のような匂いを出す。これが更にいけていない。まあ、実際ゴミのような悪臭やカメムシのような激臭よりはましなんだけどね。