スノキ属のギーマ。変わった花とつける。そうだな~。提灯袖のような花だ。ドウダンツツジのようでもあるが、実際に同じツツジ科でも近いところにある。
ところで、このギーマが属するスノキ科は所謂ブルーベリーの木のこと。他のスノキ属を見れば、果実は甘酸っぱくて食べられる・・・とほとんどに書かれてある。が、ギーマには特に何も記されていない。
不味いのか?とりあえず、いずれ実がなったら試して見なくてはなるまいなあ。
クスノキの仲間。ニッケイと言えば、ニッキ。ニッキと言えばシナモン。シナモンで合っていたカナ?自信がありません。
間違っていたらごめんなさい。シナモンはニッキの樹皮を丸めて乾かしたもの。この種の樹皮、葉にはなんとも言えない芳香がある。揉んで匂いを嗅ぐとあまりの爽やかさに別の世界に一瞬行ってしまう。そんな匂いだ。
ただし、葉っぱなども生のものより、樹上で枯れて茶色くなったものの方が香りが強かったりする。島ではこれを樟脳代わりにしたという。確かに知り合いのおばあは箪笥の扉にこの葉の着いた枝をぶら下げてあった。
葉が独特なのですぐに気がつく。縦に入った大きな3本の葉脈。これが特徴。島にはニッケイが何種類かあるが、それぞれ違う使い方をしたのかなあ。多分、一緒だろうと思うけど。
美味い。西表で潮干狩りというと、干潟や砂浜をガサガサザクザク掘って2枚貝を採る以外に、珊瑚礁や磯の岩場を歩いて貝を採ることも言う。
この貝は通称「ツキミナ」。ツキは月。ミナとは、島の方言で「蜷」(ニナ)。月がつく理由は正確ではないが、貝の蓋が満月のように美しいからではないかと思っている。おばあなんかがよく珊瑚礁ではなく、岩場を歩いているのを見るが、狙いはもっぱらこの貝。サザエなんかの仲間だけに、やはり美味い。
ところで、有名な曲に「海のチンボラー」という島唄がある。チンボラーとはある種の巻貝を指すが、島によってチンボラーが指す貝は違うようである。以前沖縄本島南部の海岸で地元の女の子に教えてもらって採った「チンボラー」とは、このオオベソスガイのことであった。彼女の家でそれを塩茹でした物をビールと一緒にご馳走になったのを思い出す。ただし、本島のこの貝はもっと小さかった。大きなものは採り尽くされたのかも知れない。
キョウチクトウの仲間である。キョウチクトウと言えば、そこそこ立派になる木であるが、こんなつる性植物も多い。
同じく傷つければ白い汁を出すし、毒もあるのだろう。
サカキカズラとテイカカズラ。同じキョウチクトウ科の2蔓植物は、花がとってもよく似ている。片や開いた花弁(テイカ)。片やそれが細く縮んだような花弁(サカキ)。
両とも種は白い大きな綿毛を上につけ、それがふわふわと川の上を飛んでいく姿は美しい。果実についてはまた書くこともあるだろうが、片やペン型。片や涙型とでも言っておこうか。
この写真も蔓もまだまだ沢山蕾がある。どんどん咲いて欲しい。風車の形をした花がくるくる回りながら舞い落ちるのを見るのはちょっと楽しみだ。
先日イシガケチョウの時にも書いたが、山の中のちょっと開けた湿った岩場には蝶が良く集まる。
今日はすごい数のアオスジアゲハが群れていた。写真はほんの一部。この4倍はいた。ただ、近寄ると大部分が逃げてしまう。しかし、しばらく待っていると、落ち着きを取り戻した蝶たちが三々五々舞い戻ってきた。
写真を撮って後で気付いたのだが、中にアオスジではない蝶がいる。ミカドアゲハだ。いずれも集団給水する蝶。しかし、たった一匹混じっているのを見ると醜いアゲハの子状態なのではないかと心配してしまう。
きっと自分のことを他と同じアオスジアゲハと思っているに違いない。幸いなのは、アオスジ一門が彼をいじめないで仲間に加えていることかなあ。
西表においてユリは山のものではない。ユリ科の植物は数あれど、まさにユリというのはこのテッポウユリのみ。海岸端の植物だ。
カヤックで海を漕いでいると、誰も上陸しそうにない岩の多い海岸に満開に花を咲かせているのを見た。
きっと誰も見ないのだろうと思い、ならば自分だけでもと近寄って見る。
きれいだ。美しい。しかし、勿論花は知らん顔。
花にとっては人間など関係ないだろう。むしろいっぱい摘まれてしまうだけ、天敵かも知れない。だけど、人間は花を見たい。特に可憐な美しい花を。
人間は欲張りだ。地球の自然に積極的に関わりたがる。自然をいくらでも自分のものにしたがる。ただ人として生きるだけではいられない。なんでだろう。
しかし、野で花をめでる心と花を摘んで屋内に飾る心。どちらも人間にしかない心。僕は悪いとは思わない。節度だけ。
潮の引いた海岸で遊ぶのは楽しいものだ。普段、お目にかかれない海の底が現れ、そこには色んな動物が隠れていたり、取り残されていたりする。
さて、このカニ、ケブカガニ。名前どおり毛深いカニだ。しかもケガニなどのように硬い毛ではない。体を包む毛皮。
キャツはちょっと苔の生えた岩場にいた。その苔には細かい泥が入り込み、全くこのカニと同じ。よく見つけたものである。ケブカガニの外見はこれも一応背景に溶け込む為の進化なのだろう。
比較的大人しいカニで、つついても一度鋏を上げたっきり、これは自分の勝てない相手と悟ったか、後はじっと大人しかった。
そう言えば、スベスベマンジュウガニという歌がNHK「みんなのうた」にあったが、そこにはこいつも登場していたなあ。