ツルアダン(ヤンダル)の咲く時期、アカショウビン(ゴッカル)が渡ってきてよく鳴くという。これが島の季節感。ウリズンの風物詩。
山を歩いていると、パイナップルカステラが少し焦げたような、そんな濃厚な甘い香りが広がることがある。そういう時、近くの木々の梢を見上げれば、このツルアダンの黄色い花が見上げられるだろう。
島ではこの花を食べるという。左の花、中に棍棒状の雌しべが見えるのが雌花。右が雄花である。棍棒状の雌しべは、この棍棒の表面一つ一つにもっと小さな子房があり、熟するとその一つ一つが密集した実の塊の棒となる。
さて、以前、この花を食べてみた。確かに最初は甘く感じるのだけれど、その後の苦さといったらない。天麩羅にまでしたのに、苦味が消えない。年寄りに聞けば、それは雄花を食ったからだという。反対に雌花が美味いというので機会を待っていた。そして、今日、雌花に出会えた。早速、雌しべの横にべろんと出た舌状の花弁(?)らしきものを口に入れる。柔らかく、甘い・・・が、やはり苦い!強烈な苦味。雌花も充分以上に苦いではないか。
これを美味いと言えるのはやはりゴーヤを愛することのできる沖縄人ならではだなあと妙に納得できたのである。