イリオモテヒメラン(アーカイブ)

Iriomotehimeran_3 ツアーで人が歩く山道、その本当に人が足を置くような場所の脇に、小さなランがあるのには昔から気付いていた。あんまり近く過ぎて何度か踏まれたりもしていたが、この株はしぶとく生き残っていた。

人間による踏圧というのは酷いもので、以前、足を置きごろな岩の脇に生えていたおそらくはツルランの株がポッキリ折れていたり、楽しみにしていたカゴメランが踏まれて枯れてしまったり、などというのを見ていただけに、今回この株がついに花をつけたのは嬉しかった。しかし、これは踏圧というより、歩く人の不注意にも問題がある気がする。先頭を行くガイドさんには是非にも気を使っていただきたい部分だ。

イリオモテヒメランの名前どおり、もとはこの島で発見された小型のランである。が、現在は沖縄本島でも確認されている。大体種名に含まれる地域名は早い者勝ち。ここはイリオモテが勝っている。花は至極地味。軍配のような形の黄緑に紅の混ざった花が花穂に並んで着く。

この地味さゆえだろう。花は花穂の先っぽまで咲ききらぬうちに、また気付かぬ人に踏まれて駄目になってしまった。残念だったが、近くを探して同じイリオモテヒメランがしっかり花を咲かせ終わって結実しているのを見つけた。少しほっとした。

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