同じナーラコースでも、一昨日とは違い、今日はとても穏やかで美しい日だった。
セロハンを貼ったような水面に、時折落ちる小雨がブツブツと穴を開ける。
僕らのカヤックのバウは、再び張り詰めたその水面を鋏のように割って進んだ。
雲の合間から降り注ぐ太陽は、春の陽気。
日が差せば、森の小枝はさざめき、小鳥が一斉に囀り始める。
ええ、春なんです。
春だねえ・・・
巨大な羊歯の巨大なゼンマイ。
春ですねぇ・・・
ちょっとぼんやり眠そうなキノボリトカゲ。
風のない川面にツツジの真っ赤な花がいつまでも浮かんでいます。
カンムシワシだって、警戒心ゼロ。
みんなが平和な春の川です。
さぁて、と。
帰ったらハンモックに揺られてお昼寝でもしたいなあ・・・。