カテゴリー別アーカイブ: 動物

タカサゴキララマダニ

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でっかいダニが、カバンについてた!

あー、こんなのに噛まれなくてよかった〜
体長約1cm!!
感染症について研究している後輩から聞いた。

体が弱っている状態でかまれて感染すると、血栓ができ、死に至ることもあるそうな・・・・怖い・・・・

  • タカサゴキララマダニによる咬傷で、Rickettsia tamuraeという菌による感染があった事が島根県では以前報告されてはいますが、西表島のこいつがどの程度リケッチアという菌体を保有しているかはまだわかっていません。
    噛まれたあとが遊走性紅斑といって丸い紅斑ができることはよく知られています。
    あと、スロベニアの医学生に聞いたところ、ダニに噛まれても手でむしっていると言ってました。
    場所によっていろいろですが、うまく毟らないとダニの顔が皮膚に残って、肉芽腫となることがあります。
    除去法としては、 
    虫体にワセリンをたっぷりのせて30分→マダニの口器付近をピンセットなどで掴んで除去。

あ~みなさん、心配しないでくださいね。
そんなにたくさんいるわけではないから~笑

伝書鳩レースの落ち武者

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西表島には、年に数度、何羽かづつぐらいでドバトがやってくる。ドバトとはいわゆる公園のあれ。人間が作り出したハイブリッド。

この島には自然状態ではドバトは生息していないのだが、この突然やってくるドバトたちはみんな見事に足にワッカをはめている。

どうも中国あたりで行われる伝書バトレースからの脱落バトらしい。帰るあてもなく、山で餌を採れる力もなく、いつまでも道路の片隅でウロウロしながら弱っていくのを見るのは哀れだ。

実際にこれらを集めて飼っているという優しい人の話も聞く。

さて、今日、ツアーで海へ出かけ、お昼のために浜に上陸して休憩していたら、そこにいつのまにやら一羽の鳩がやってきて、僕らの周りをうろつき出した。真っ黒なドバト。痩せているし汚い感じだ。足にはやっぱりワッカ。

ほっておいたら、どんどん慣れなれしく近づいてくる。なんでしょうね?さあ、なんでしょう?お客さんと不審に思っていたら、食事に使う水を入れた2?の透明なペットボトルをコンコン!コンコン!とくちばしでつつき始めた。

ああ、水が欲しいんですね!合点して空いていた容器に水を入れてやると飲む飲む。グイグイ飲んでいる。人の手からも飲む。見れば、片方の目からは血のような目やにが垂れ、目自体が乾いてしまっている。ここしばらく一滴も雨が降らない状況だったし、川などに近寄らない元飼い鳩には過酷な環境だっただろう。とにかく喉が渇いていたようだ。

しばらく飲んで離れていったので、もういいのか?と思って水を捨てると、またやって来て、ペットボトルをつつく。

僕たちはこの鳩が飽きるまで何度も水をやって、そして浜を後にした。

できるだけ後のことは考えないようにして。

カニ苛め

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ミナミコメツキガニの大群が、土を口に運びながらワシャワシャと行進しておりました。

女の人が一人、必死で彼らを追い掛け回します。彼らは女の人に気付くと慌てて土に潜ろうとします。その慌てぶりが面白いから苛めているんです。と女の人。

やがて、カニは女の人がいなくなっても出てこなくなりました。

「苛めすぎたかな・・・」と心配そうな彼女。

大丈夫ですよ。潮が満ち始めたから、出てこなくなっただけです。(笑)

テナガエビの脱皮

T090325_052_2 水溜りを覗いていたお客さんが、「あの大きなエビ、仲間の頭を持って歩いていますよ!」とびっくりしたように叫んだ。確かにテナガエビは共食いをすることもある。そういうこともあるだろうか。

それより少し前、みんなで、幼児に大人気のアニメ「あんぱんマン」におけるカニバリズムについて話していたところだった。今のアンパンマンはかなりソフトになってしまったが、僕らが子供の頃、つまり30年も前のアンパンマンは頻繁に頭のアンパンを食われていた。食われるのが見せ場で、そこが水戸黄門における紋所と同じだった。そして首なしのまま飛んでいった。それを作者は自己犠牲の精神として描いたのかも知れないが、子供たちはそこにゾクゾクした倒錯した気分を得たものだ。というようなどうでもいい話。

その話が頭に残っていたんでしょうね。僕が覗いてよく見れば、それは共食いではなく、脱皮の途中。長いはさみが抜け切れないで他のエビを抱えているように見えなくもない。

脱皮したてのエビは体を揺すりながら、少しでも早く、体の隅々まで体液を充満させよとしているようです。特に最大の武器である長いはさみはユラユラ、フニャフニャと体を揺する度に情けなく揺れています。それでも、人の気配に気付いた時、エビは得意のエビ反りダッシュで後ろ向きに飛んで姿を消しました。

クモに捕まった蝶

T090325_067 休憩をしていると蝶がすぐ近くのクモの巣にかかってしまったのが見えた。

近づいてみるとリュウキュウアサギマダラだった。

こういう時、皆さんはどうしますか?

浦島太郎のように助ける。自然の定めとほっておく。どちらでしょう?

僕は、自分と出会ってしまった以上、なんらかのアクションをすべきと思っています。蝶がクモの巣にかかったのは因果。でもそれを見てしまった僕には縁があります。縁を大事にするのが人だと思います。言葉を変えればお節介というのでしょうが。

なので、一つだけ。今回はクモの巣が高いところにあったのですが、かかっている片方の木の枝には手が届きそうです。この枝を引っ張って蝶に手が届けば、助けます。駄目だったら、クモの勝ち。他の枯れ木を取って来て、クモの巣を壊すようなことはしません。

結果、残念ながら、クモの巣は他の高い木の枝にも繋がっていたようで、蝶は僕の手に届くところには降りてきませんでした。

ごめんね。

ヤツガシラが僕の村にも

Yatsugashira やって来ました。春の鳥。

残念ながら決定的瞬間は撮り逃しましたが、僕らが車から見ている中、頭の飾り羽を見事に広げてモヒカンに。

これが八つ頭の由来なんですね~。

そう言えば、以前草原で拾ったヤツガシラの頭蓋骨、あれどこやったかな?わりと開けた草地なんかを好む鳥です。

ブラーミニメクラヘビ

Tp3100043 ガヤ原を耕し、一から畑を作っている。まあ、大変な労働だし、怠け者の僕がよくやろうと思い立ったなとも思う。

出てくる動物の一番手はやはりミミズ。とんでもない大きいのが土を起こす度に飛び上がって出てくる。この土地はかなり肥えているようだ。作物への期待は高まる。2番手はムカデ。あまり大きいのはいないが、土を起こすと、さっと現れ、土くれの隙間に瞬時に身を隠す。別にいてくれてもいいのだが、この畑は娘も出入りするので、見つけたらご退場いただいている。慣れてきたので、今は素手で頭を捕まえて殺しているが、いつか噛まれるかもしれない。

そして、畑作りをしていて絶対見たかったのが、このブラーミニメクラヘビ。世界最小のヘビだ。前に見たのは、もう何年か前、道の脇の草を手で刈っている時に、足元に干からびたミミズのように落ちていた。それでも嬉しかったが、今回はとにかく生きているのが見たい。問題は僕の振り下ろす鍬でこいつを傷つけないことだったが、そう、とは言え作業の進捗状況を見てはそうそう手を緩めるわけには行かなかった。

で、やっと見つけました。60坪耕してわずか一匹。傷つけることなく、見つけられた。せわしく逃げ回るのを発砲スチロールの箱に入れて観察。進行方向で前が分かるが、実に前後ろの分かりにくい動物だ。やっと落ち着いたので手に乗せてみる。途端にウンコをされた。

顔を欲目を凝らして見てみるが、ほとんど肉眼では見えない。Tp3100036 が、デジカメでスーパーマクロモードで撮影してみるとはっきりと目が見えた。

土の中で生活しているので、退化してしまったのだろう。なんだか、見えているのかいないのか。

このヘビ、土の中で生活し、蟻なんかを主食としているらしい。どうりで口も小さい。他のヘビのように顎が開くことはなさそうだ。そして資料によれば、単体で繁殖する単為生殖を行うようで、これが一匹いれば、いくらでも(?)広がっていける。実際こいつは外来種らしい。外来種というと今の世の中、よくないイメージが付きまとい損なのだが、とは言え、ほとんど目にしないメクラヘビは憧れのヘビ。

体温で弱らないように撮影後はすぐに土に返してあげました。

コンジンテナガエビの交接

Ttebikoubi 西表の渓流に住む大型のテナガエビ、コンジンテナガエビ。ザリガニとよく間違われてしまうぐらいデカイ!

なおかつ美味いヤツなのだが、こんな姿を見つけてしまうとちょっと食えない。これは、大きなオスが中ぐらいのメスを抱きかかえ、交接しているところ。

水の流れの緩やかな隠れ家的な水溜り、しかも外部からはほとんど遮断されている小さなポットホールだ。そこで子孫を残す為の懸命な営みが行われていた。

テナガエビ類の交接はメスの脱皮直後に行われる。オスがメスを優しく外敵から守りつつ、メスをひっくり返して、その腹部に精子の入った袋を付着させる。そうすると、その数時間後にはメスが未受精卵を自分の腹肢に生みつけ始める。この際、精子に触れて受精する。そんな仕組みだ。

面白いのは、この大きなオスの顔。なぜ赤く染まるのだ?

お客さんと一緒に観察。最後は「やっぱりオスは必死なんよ!」これにみな納得。

ヤエヤママルバネクワガタ(アーカイブ)

Marubanekuwagata 増水した影響からだろう。滝壺には普段なかった山からの流木が、いくつか浮かんだり沈んだりしていて、その一つは滝壺が再び川となって落ちる岩の隙間に引っかかっていた。

ふと見ると黒光りする大きな虫がいる。見てみると、これは珍しい。ヤエヤママルバネクワガタだ。オスで6cmぐらいはある。どうもこの流されてきた朽木の中を棲家としていたようだ。前日の大増水は彼らにとっては迷惑極まりなかっただろう。

マルバネクワガタは日本のクワガタの中では勿論希少な種類で、ネットオークションなどを見ると剥製すら高値で取引されているのが分かる。僕もわざわざオキナワウラジロガシの洞など見て歩かないだけに、見つけたのはこれが初めてだった。が、調べるとこのメスはクワガタ類では日本最大になるらしい。ではメスの方が見れたら貴重だったのか。

この個体、次の日もまたその次も同じ朽ちた流木につかまっているのが見られたが、やがていなくなっていた。ようやく家屋損壊というショックを乗り越え、メスを探しに出かける気力が戻ったのだろうか。

茶色屋根の下のキノボリトカゲ(アーカイブ)

Sp1010039 ずっとさぼりっぱなしだったので、胸に言葉が溢れている。そこで ブログ以前のいい写真もちょっと掲載することにする。名付けてアーカイブシリーズ。

僕は学生時代からキノコが好きだ。経済学部のくせに、キノコで論文らしきものまで書いたことがある。が、西表はなかなかキノコにはよくない。湿度が高すぎてすぐに腐るのと、虫による食害。そしてやはり全体に種類も量も少ない。さらにいわゆる秋の涼しさが生み出すキノコというのを見ない。島の人もきのこ狩りみたいなレジャーはなく、ごく限られた種類のものを採るだけだ。少し寂しい。キノコが見たい。そんな思いが胸を占める。

なので、10月のその日、山を歩いていた僕は、久しぶりに見つけた秋キノコに思わず目を留めた。イグチかな?そう思って手を伸ばしてやめた。すぐにこのキノコの主を見つけたからだ。それは小さなキノボリトカゲだった。彼女はそのキノコに集まる虫を狙っているらしい。確かに小さなキノコバエが辺りを飛んでいた。

う~む。かわいすぎる・・・・。僕は出来るだけ彼女を脅かさぬよう、地面に這いつくばって写真だけ撮らせてもらった。しかし、こうやって写真を見てみるとしっかりこっちに注意を向けているのが分かる。驚かしてすまない。

キノボリトカゲは爬虫類ながら、シロアリの蟻道を破壊して(あるいは何かの偶然で破壊されていたのか)そのトンネルを通過しようとするシロアリをぱくっぱくっと食べているのを見つけたこともあるし、今回のことにしてもなかなか頭がいい。頭のいい器量よしは、きっと森の人気者だろう。