月別アーカイブ: 2006年6月

サガリバナ咲く朝の光

Sagaribana この時期の風物詩サガリバナの花である。別名サワフジ。川沿いや湿地帯などに生えるわりに大きくなる木で、梅雨明け頃から花が見られるようになる。夜にその花を開かせ、朝には落とす。

西表ではこれをカヌーで見に行くツアーが盛んだ。なんと言っても川沿いのサガリ花では落ちた花がいっぱいに水面に浮かんで見事。

ところで・・・

このサガリ花、もともとあった植物に違いはないだろうが、その湿地帯における強さ、成長の早さ、根の生やし易さなどから、昔は人為的に田圃の周りに垣として植えられた。これはイノシシ除けの為。等間隔に木を植え、木と木の間に横棒を掛け、柵としたのだ。

だから、場所に行けば、今もサガリバナが等間隔で植えられてあったことを確認できる。

西表名「ジルカキ」

天然記念物キシノウエトカゲ

Kishinouetokage 朝、一番、まだ夜露の残る山道で、木洩れ日に日光浴をしているキシノウエトカゲに出会った。

少しエラが張っているのでオスだろう。彼らは日本一大きくなるトカゲである。小さな時はよくいるような尻尾の青い所謂トカゲ。

それが何故、この種類だけこんなに大きくなるようになったのだろうか?餌が豊富だからか?外敵が少なく身を隠す必要がなかったからか?だとするとヤマネコはどうだ?立派な外敵である。外敵説ならば、ヤマネコはこいつらよりも大分後に島に来たとしなければならないだろう。疑問は残る。

しかし、久しぶりに写真を撮れた。って自分ちの庭にもいるんだけどね。

今日の魚

Sakana 今日はよく釣れた。

上から小さなハタに仲間。コトヒキ17センチ。フエフキダイ2匹20センチ。ガーラ(ヒラアジ)31センチ。ニジョウサバでかい。本当ニジョウサバはでっかかったなあ・・・。ガーラは上げるのにだいぶ苦労しました。小さな上4つはその場で刺身に。

ガーラは塩焼き。サバは勿論味噌煮にします。だって、刺身よりもご飯のおかずになるんだもの。(笑)

サガリバナとアカショウビン

Akasyoubin1 川に突き出た枯れ枝に留まり、小さな魚を狙うアカショウビン。沖縄を代表する夏鳥である。「キョロロロロロ・・・」という鳴き声は非常に美しく、またその姿も素晴らしい。同じ亜熱帯である奄美で暮らした日本画家、田中一村の絵にもよく登場する。

そして、アカショウビンのいるすぐ脇にはサガリバナの蕾がいくつも垂れ下がり、川面には落ちた花さえも浮かんでいる。絵になる。素晴らしいシチュエーションである。

奄美にはサガリバナはないのか?一村ならば、これぐらいのシチュエーション、想像で構成して描けただろうに・・・。

サキシマスジオに遭遇

Sakishimasujio 夜中に大雨が降った次の朝である。お客さんと話をするのに後を振り返っていて、次の一歩を下を確かめずに踏み出した。

思わず声を上げてしまった。噛まれる!そう思った。なにか長細くて丸いものをグリッと踏んでしまったのは分った。そいつがすごい力で動いたのも分った。ハブを踏んでしまったのだと僕は思ったのだ。

しかし、噛まれることはなく、よく見てみると確かにヘビを踏んではいたが、ハブではない。大きい。日本最大のヘビ、サキシマスジオだった。ハブではなければ、怖れる事もない。逃げて行きかけたスジオを今度は尻尾を持って捕まえる。次に鎌首をもたげる頭を軽く踏んで首を反対の手で捕らえた。凄い力。捕らえた僕の腕に巻きつき、締め上げる。

しかし、でっかいスジオだった。残念ながら全身の写真がないが、2メートル50ほどあっただろうか。

カグラコウモリ

Koumori1 雷を避ける為に入った洞窟。さほど深いわけでもないので光が射し込み結構明るい。何か臭い匂いがしたのだが、やがて頭上を掠める気配でコウモリがいることが分った。落ちている黒いものはコウモリの糞なのだ。

見ていると驚いた訳でもなさそうだ。目が慣れれば上に4羽ほどがちょっと離れてぶら下がっている。と、外から一匹が帰ってきた。そしてなんとすぐ眼の前の壁にぴたっと止まったのである。これはチャンス!フラッシュをたかないで撮った為、ややピンぼけ。しかし、カメラの液晶を見て驚いた。これは、子供を抱えている!

後から調べた結果分ったのは、彼らがカグラコウモリという世界でも西表、石垣、与那国にしかいない珍しいコウモリであるということ。生息環境を脅かすことはやめた方がいい。

ま、だけどコウモリさん、雷よけです。勘弁して~!

最も美しい蛾、サツマニシキ

Satsumanisiki マダラガ科の蛾では以前、シロオビホタルガを紹介した。そして今日はマダラガの中でも最高に美しい、つまり蛾全体の中で最も美しいといっていい「サツマニシキ」である。

滝のそばで細かい水滴に羽を打たれたせいか、この個体はじっと動かなかった。だからよく写真が撮れた。以前、森の中で見つけたものの、けっこう逃げられたこともある。その時は遠かったせいもあってかなりのピンボケだった。

この蛾は全体に蛾でありながら、昼間とびまわる。そして吸蜜のために花を訪れる。触れれば泡状の黄色い分泌液を出すということなので、試してみたが、弱っていたせいか、そのようなものを見ることはできなかった。残念。

アオタテハモドキ(オス)

Otatehamodoki 車を置いている海沿いの草地で2羽がじゃれあって飛んでいた。両方ともオスの鮮やかな青い部分が羽に見えたので、実際は縄張り争いなどしていたのかも知れない。

アオタテハモドキはオスがこれほど美しいのに対し、メスはそうでもない。自然界にはよくあることだが、オスというのは一般に派手である。

カメラのズームが3倍しかない為、特に大きい訳でもないこの蝶を撮る為には結構近づかなくてはならない。しかし、なかなか近づかせてくれない。ちょっと警戒圏に入るとすぐヒラヒラ。目がいいのか?そこでちょっと考えた。太陽によって影が出来る方角を考え、太陽を正面にしてゆっくり接近。すると嘘みたいに気付かれない。最終的に30cmの接写である。

きっと影が迫るのを危険と感じているんだろうなあと思った。

ミズビワソウ

Mizubiwasou 暗いジャングルの沢のそば、本当に湿った岩場にミズビワソウの群落を見つけた。

別の場所では、2月ぐらいに花が咲いており、今年は花を写真に撮れなかったと残念に思っていたら、なんと6月に花が見れるとは。イワタバコ科の花で、以前紹介したヤマビワソウと葉の形などよく似ている。しかし、こちらはヤマビワソウより明らかに大きい。

ちょっと見、1メートルほどの小木のように直立した幹を持ち、質感も樹木っぽいが、触ればその幹は柔らかく茎であることが分る。つまり、この植物、草本である。

直立した茎のテッペンに葉が輪生し、その脇に花が着く。透明感のある、いかにも太陽のギラギラには弱そうなひ弱な感じの花だ。だが、僕はこのひんやりとした涼しげな顔が好きだ。

ヨツモンコメツキ

Syotumonookometsuki1_1沢を行く足元にゴソゴソ動く影がある。どこにでもはびこるゴキブリか?と思ってよく見てみたら、同じように光沢があるものの、もっと美しい。

大型で金属光沢の美しいコメツキムシ。ヨツモンコメツキである。四つ紋の名の通り、胸部に前後ろ2組づつの赤い紋がある。因みに石垣島と西表島にしかいない。

このコメツキは昼間樹幹をせわしく飛び回るらしいが、なぜこんなところに?

川は面白い。木からひょんな拍子に落ちてきた動物達が流されながらもその辺の岩などに必死に這い上がっている。おそらくこのヨツモンコメツキもそうなのだろう。

因みにコメツキムシの仲間はひっくり反して置くと、屈伸の力でビンッと跳ね上がる。これには驚くがなかなかその動きは面白い。しかし、同じ甲虫なのに、クワガタ、カブト、カミキリほどには人気がないのは、やっぱ名前のせいだなあ。