西表ではイゾキと呼ばれている。ツバキの仲間で野生では海岸林などに生えるようだが、見たことがない。幸い、我が家の庭に5メートルほどの木が植樹されているので、いつでも観察できる。出来るだけ野生状態にこだわっているが、考えてみればこういうのはありがたい。
去年は一昨年に被った隣家の火事の影響か、花を咲かせなかった。なので今年こそはと期待していた。3月初め、拳を握ったような柄の長い蕾が下向きにいくつもついた。そして、中旬、可愛らしい花が開いた。花は淡い香りがする。
このモッコク、昔から島ではとても重宝されたようで、幹を削って、船の櫂を作ったという。黄色い材のその櫂は硬くて丈夫なうえ、万が一、食中りなどした場合にはこの櫂を削って煎じて飲めば治ったともいう。
試した人が偉いという話だな。