足が泳ぐ為にちょうど船の櫂のようになっている蟹と言えば、間違いなくワタリガニを思い出す。彼らはその特徴を利用し、よく泳ぐ。
西表ではワタリガニの仲間で一番有名なのは「ノコギリガサミ」。美味いしでかい。
ところで、干潟などに生息するキンセンガニ。ガラッパの仲間である彼らの足はワタリガニの仲間よりもすごい。全ての足が泳げるような扁平な櫂状。特に鋏のすぐ後と、最後の足はブレードがでっかい。
それで、泳ぐのかと思えば、泳ぐよりむしろ足を利用し、体をブルブル震わせながら、砂に一瞬で潜る。忍者のように。
そうなのだ。彼らの櫂状の足は泳ぐ為よりむしろスコップのように穴を掘る為にあるのである。考えれば、櫂とスコップは少し似ている。