咲かないかな咲かないかなと気にしていた。山でこの花に出会うとほんとにいい香りがして嬉しいからだ。今年はちょっと遅かった。あんなに寒い日もあったのに。何か違う要因で花が咲くんだろうね。
カヤック漕いでは川岸の低い枝についた花の匂いを嗅ぎ、山道を歩いては落ちたばかりの新鮮な花びらを拾って嗅ぐ。あんまりいい香りなのである女性がこれでお茶が飲めるといって本当にお茶を飲んでいた。僕はずっと嗅いでいたいと片方の花の穴に詰めてみたが、最初は良かったものの、だんだん臭い気がしてきてもう二度とこんなことはやるまいと誓うのだった。