月別アーカイブ: 2006年6月

ウミショウブ花咲く海

Umisyoubuhana1 6月最初の大潮である。西表の海は奥はさんご礁に囲まれているが、陸に近い内側や川の河口は砂や泥が堆積した藻場となっている。特にウミショウブなどの海草が生えるアマモ場(ウミショウブ場でもいいかな)は特に重要な役目がある。

まず、河口からの泥土をここで受け止め、根元に堆積させる。これにより、大雨の後などでも、陸からの濁った水は海に向かって行くに従って浄化され澄んでいく。

また、小さな魚達に格好の隠れ場となると同時にその餌場ともなって、生態系の底辺を支えている。

さて、このウミショウブ。海草であるから、モズクなど他の海藻と一緒にされては困る。海藻が胞子などで増えるのと違い、こちらは花もつければ種子も作る。勿論、花があるのだから受粉もされなければならない。雄花が作る花粉を雌花の雌しべへと送る作業は、やはり水の中では難しい。その為、ウミショウブは大潮でもっとも潮がひいた時間にぽっこり海面に花を咲かせる。雄花から溢れ出た沢山の花粉を乗せた小さな白いカプセルは潮のひいた海面を滑り、雌花へ辿り着く。そして受粉する。

当然、辿り着く確率は低い。風任せ、波任せである。なので、本当に沢山のカプセルが海へと放たれる。そしてごく一部が受粉に成功する。やはり、オスは競争なのだ。

ひとしきりの饗宴の終わった後、辿り着けなかったカプセルたちは波間に漂い、やるせなく汚れ、消えていくのだった。

サガリバナの蕾が沢山

Sagaribanatubomi1 さて、梅雨ももうすぐ明ける。

6月下旬の風物詩と言えば、サガリバナの花である。いずれここにもその姿は載せるが、今年も花は多そうだ。

まだまだ小さいものの本当に沢山の蕾がぶら下がった。早いものではもう咲いているものもある。最盛期は6月下旬より7月中旬。

しかし、気になるのは写真の蕾。わずか水面20センチほどのところに着いている。まだまだ蕾も成長し、長く下に伸びていくはずだが、これでは大潮の時には満潮時に水中に入ってしまう。

大潮は朝が満潮なので、咲いているところにどんどん水が迫るのだろう。水中花となるのだろうか。

マルバチシャノキの実を食す

Marubatisya 以前、ここで扱ったマルバチシャノキ(ケイズ)の花が何時の間にやら実に変わっていた。黄色く熟しており、花の大きさの割には大きく感じる果実である。

さて、この実を食べてみなくてはならない訳だ。一体どんな味なのか。早速よく熟していそうな1個を取ってみた。まず、指で潰す。柔らかい。中はねっとりとした果肉が詰まっている。

口にしてみた。

うん、美味い。ただし、いわゆる果実のような甘味も酸味もない。あるのはほのかな塩味と感じる香ばしさ。柔らかなナッツという感じである。これは酒が飲める。

これを喜んで食べた子供というのはけっこう通だなあ。

グンバイヒルガオ

Gunbaihirugao 浜にグンバイヒルガオがしっかり根をはり、広がって花を咲かせていた。名前の通り、葉が軍配に似ている。紫がかったピンク色の花を咲かせるのだが、こちらはアサガオもヒルガオ同様昼間も咲いているので、グンバイアサガオでもいいのではとも思う。強い太陽光線にも萎れない優れものだ。

しかし、まだ今年は台風が来ていないのでいいが、台風が一度来てしまうと彼らは可愛そうなことになる。砂地ゆえに根は浅くてしっかり固定はされていない。しかも身を守るもののない環境。強い風にカーペットごとめくりあげられひっくり返されてしまう。

今年はデイゴが全く咲かず、台風が来ない年になるのでは・・・などとも言われているが、そうなると彼らはきっとどこまでも繁茂して広がっていくのだろうな。