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大増水した川の力。

大増水した川の力。

2008/02/10

仲良川

昨日はヤマネコマラソンの手伝いをしていたが、台風なみの風が吹くひどい天気だった。おまけに雨も降って、ランナーには厳しい状況だっただろう。
ところが、今日は天気予報どおり、少し回復。晴れではないものの、雨も降らず、ここ1週間では一番いい天気。それを聞くと大阪からいらっしゃったご夫婦は「ついてる!」と非常に喜んでおられた。
川には誰もいない。完全な独占状態だ。
が、滝も川も昨日までの雨で大増水。川を渡るのも大変だ。しかし、そんな滝も食事をとっている1時間足らずのうちに目で見て分かるほど水量が治まっている。帰りは渡渉も楽だった。
ちょうど昼からは引き潮にあたり、カヌーも楽だろうと予測したが、増水した川の水と潮の引きが合わさって、上流部ではなかなか操作が難しかったようで、気をつけるように言っていた筈なのに、カヌーに乗ってすぐの岩と岩の間にお二人の船が横向きになって引っかかった。
上流から押し寄せる水圧で船は動かない。ばかりか、なんとか脱出しようともがくうちに、完全に岩に乗り上げてしまった。そこは深い場所なので、降りて船の向きを直すのも難しそうだ。最終的には僕がカヤックに乗ったまま、二人の船を持ち上げて動かすという強引な力技で事なきを得たが、僕的にもよい経験が出来た。
なぜ、気をつけるように言った岩にわざわざ向かって行ってしまったのか?それはつまり、カヤックの進行方向に対して、後ろからの水流が強い時は、カヤックの最後尾に突き出しているラダー(楫)が普段とは逆の作用を果たすとからである。普段はカヤックが進むことで起きる前からの水流に対し、右にラダーを切れば、そこに前から水流が当たり、最後尾を左に曲げる力がかかる。そして先端は右を向き、右に進める。が、今日のように漕ぐ力よりも後ろからの水流の方が強く自ずから流されていくような場合は、右に進もうと右にラダーを切れば、そこに後ろから水圧がかかり最後尾を右に回す力となる。つまり先端は左を向き、意図しない左側に進むのである。
普段流水を漕ぐことのない西表のカヤッカーではなかなか経験しないポイントだ。
その後は、多少の向かい風はあったものの、引き潮に乗り、比較的楽に漕いでいくことが出来た。
そして帰り道、ふと見上げた頭上に雲の隙間から見えた本当に久しぶりの青空は、なんとも言えない清清しさと嬉しさを喚起するちょっとしたプレゼントだった。