逆転満塁ホームラン？
2009/03/21
漁港
昼間、満足な釣果を得られなかったお客さんと、夜、粘ってみましょう！と話を進めていたら、一緒ににツアーに参加していたカップルに、自分たちも一緒に釣らせて欲しいと頼まれた。勿論、返事はＯＫ。道連れは多い方がいい。どうも、昼間の、最後に釣れた1匹づつの、あの竿をゆさぶる振動が忘れられないらしい。
夕方、そのカップルを待ちながら、竿を4本（全員分）置いて2人で当りを待つ。当りはあるのだが、いかんせん竿が多すぎるのか、竿を合わせるという一番大事なその反応が間に合わない。餌だけ取られてしまっている。しまった。多すぎだ。
ところが、暗くなって2人が到着する頃になると、今度はぴたっとまたも当たりが止まってしまった。
うむむむ・・・。なんなんだ！今日は！！
暗闇の中、やややる気なく、座り込んでだべり始めた男3人をよそに黙々と場所を変えてはトライする彼女。一応終了予定は夜9時。そしてただ時間だけが過ぎていくのかと思われた、終了直前の夜8時45分。
彼女の釣れた！という声が響く。
慌てて駆けつけると、魚の影はない。「あれ？どうしました？魚」
「根掛りだったみたいで・・・・」「えっ？見せて！」
僕が彼女から竿をもらい、感触を確かめると、たしかに何か海草に当たっている感触。軽く引っこ抜いてみる。すると、海草から外れて、今度は糸を魚が引っ張る感覚が。
「あっ！釣れてますよ！これ！」
上げてみれば、立派なフエダイ。
「逆転満塁ホームランですよ！写真お願しますね！」
そう言って笑った彼女の顔は今日一番だった。