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台風の後波残る海を、漕いだ泳いだ三世代

台風の後波残る海を、漕いだ泳いだ三世代

2008/08/23

タカラ

一昨日の3世代ご家族に、今日も貸切で遊んでいただくのだが、一昨日から始まった台風の影響が、まだ海には少し残っている。台風自体は全然関係ない場所へ逸れて行ったのだが、大体台風というものは、過ぎてからが後を引く。
今回もそうだ。
南風はけっこう強く、波も当初3メートルと高い。
ただし、後は波2メートル。明日は1メートル50。
今日中に影響が終わるということでもある。

治まる?
ならば、一昨日は川のコースだったし、皆さんのご希望もあるのでなんとか海に出たい。
でも、まともに波とは勝負したくない。そこで、コースが重要となるのだが、やはり、南風が強い時は、タカラジマコースが一番。ずっと背中から風を受けての順風で行って終い。

ただし、今回はいつも船を出す南に面した祖納前泊浜ではなく、裏側、北に面したニシ泊浜からカヤックを下ろすことにした。ニシドンは恐ろしげな白波がいくつも見えるマイドンとは打って変わって、静かなものだった。

みんなでなんなく出発。ふと振り返れば、近くの宿に泊まっている、昨日ツアーに参加してくれた母子が見える。浜に散歩に来られていたようだ。
なんだか見送られて嬉しいので、「行ってきま~す」とでっかく手を振る。

湾内はほとんど波もなく、ただ風に押されて快適に進んだ。しかし、湾を出たところから、徐々に外海のウネリが入ってきだした。
幸い、この辺りはリーフが岸から遠いので、リーフに当たってブレイクした波に近寄らずに済む。岸よりを進んで、最初の上陸地点とした長く美しい砂浜へカヤックをつけた。
波の状態から、午前中のリーフ周辺でのシュノーケリングは無理と判断していたので、この浜でしばらく自由にあそんでもらう。
あまりにも穏やかな海、空、風に、おじいちゃん、おばあちゃんもリラックス。
「いいねえ~、ここで一日ぼうっとしてたいね~」
でも、そうは行かないんですよ。
ここから向かい風を漕いで引き返すのは至難の業なので、やっぱりしばらくしたら先に行くしかないんです。

昼前になり、お昼は、もう少しいい場所で食べよう、ということになって、再び移動を始めた。いずれにしても移動せねばならないので、少しでも先に進んでおいた方がいいだろう。
しかし、ここからは、リーフが岸と近い場所を船で通る。つまり、外の大きなウネリがリーフエッジに当たり、サーフした波になって横からカヤックに迫ってくるポイントだ。
あまり嬉しくないものの、転倒の危険があるほどではない。なんとか、全員でお昼をとりやすそうな景色のいい岩場に上陸することが出来た。

そこで食事と再びのたっぷり休憩の後、おじいちゃん、おばあちゃんにはしばし休んでいてもらって、他の人たちで沖へシュノーケリングに出かけた。
「駄目そうだったらすぐ引き返しますよ~」
それがシュノーケリングを行う僕から出した条件。本当はしない方がいいと思うのだが、どうしてもしたいようなので、しょうがない。
ただ、波のないポイントを選んだつもりでも、経験の少ない家族にはかなりの波だったようで、あまり長く泳いでいられる人はいなかった。
特に安全を確保してくれるライジャケが、みんなの波酔いを誘ったようだ。
それでも、なんとか綺麗な西表の珊瑚礁を見せてあげることができた。これぐらいで今日は勘弁してもらうしかない。

そして、その後、ゴールまでが実はこのコースの最大の難関。ウナリザキへのトドゥマリの湾の縦断である。ここは外海の大きなウネリがそのまま入ってくる。
いや、外海と言ってもいい。
ウナリザキのそそり立った岩肌に大きな波がぶつかって、白く弾けている、荒々しい姿が遠目にもはっきり見える。
しかし、この落差の大きなウネリを越えていく以外には帰れないのだ。
この大きなウネリに、乗り物に弱いお兄ちゃん、お母さんは大苦戦。お兄ちゃんはグロッキーになりながらも、おばあちゃんを乗せ、必死で漕ぎ続けていた。
お母さんは既にシュノーケル酔いもしていたようで、追い討ちに近い。お母さんとペアだった妹さんは、自分も車には弱いのに、一人、お母さんの分も最後まで漕ぎ抜いた。すごいすごい!

そして、上陸後は、みんな一様にバタンキュウ。
疲労困憊の顔つき。

まったく、関係なさそうに元気に後片付けを手伝ってくれたいたのは・・・
なんと、おじいちゃんとおばあちゃんだったのでした!

それも、なんだかすごい・・・