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激闘!西表島

激闘!西表島

2008/07/19

ナーラ

「まさにこれは、激闘であった」
聞いたことあるフレーズですね(笑)。

台風一過。晴れている。
今度の7号は風台風で雨があまり多くなかった。しかも、当初の米軍予想どおりに台湾方向へずれてくれたので、被害はほとんどなかった。それでもこの時期の2日間のツアーがつぶれてしまったのは、観光を生業にしている僕らには痛手だ。今日からは頑張らねば。

が、今日は、まだまだ風が残ってしまった。かなりきつい。風速も南12メートル。白い雲が千切れるように吹き飛ばされていく。
もとの目的地、水落へは海を越えなければならないので、到底無理。目的地を危険が少なく、向かい風を漕ぐ距離が少ない仲良川に変更する。
が、出発地点、白浜もザバンザバンと波が立っている。
これは初心者は漕げないなあ・・・・
そう思い、滅多にしない沈した時の対応法も教えておく。

覚悟を決めた。
2人乗り4艇を全部縦に連結。
先頭のカヤックに僕が乗って後ろを牽引する。

久しぶりの牽引。しかも3艇。
風はかなりきつい。
時々来る突風の度に、ズシリとパドルが重くなり、筋肉がきしむ。息があがる。

やっと川に入った。もう船がこけても浅い。足は届く。
「よし、ここからは自分の力で頑張ってください!」
連結をようやく外す。
僕の船は首輪を解かれた犬みたいに軽く走り出す。
前を手伝って漕いでくれた奥さんも感動する。
「こんなに軽くなるんですね!」

が、後ろの3艇は、解き放たれた瞬間、強い風に煽られて、あっちへふらふら、こっちへふらふら・・・。頑張って前に進んだかと思えば、風に横を向いてしまってガーって流されて・・・。あるいは必死のパドリングはホバーリング状態。
それを延々繰り返している。

駄目だ、これは。
しばらく待ってみても一向に追いついてこない。このままでは無駄に体力を使うだけ。しょうがないので、自分の船を降り、歩いて後ろの船を迎えに行く。

頑張ります!というお父さんと娘さんの船以外は、再び連結。さっきより一艇少なくなった筈なのに、心なしかさっきより重たい。
やはりみんな力を消耗しているのだろう。
風は・・・風は、相変わらず強烈。
延々続く。休める場所がない。
支流に逃げ込めば治まる。分かってはいる。
が、遠い!!

ツアーを終えての感想(fromガイド)

もう牽引している後半は吐きそうになってました。頭の中に血の匂いがしてきて、あっ、今、血管切れたな・・・とか。
実際は鼻血だったんですが。
明日、ガイドやめよう。カヤックのガイドは。
もう絶対やめてやる!
って本当考えてしまいましたね。
勿論、ツアー終わってみれば、これしか生きていく道がないのに改めて気づくんですけどね・・・。