今日は公民館主催で、おばあたちにズゥシィの作り方を習うという学習会だ。
朝早くから、公民館の厨房にむさくるしい男性たちが集合する。
今日の夕方は青年会が芸能発表会なので、残念ながら青年はほとんど参加できず。
集まった人間で材料を刻み始める。
ニンジン、水で戻した干し椎茸、そして葱。
ニンジン、椎茸は大きすぎず、小さすぎず・・・。
三枚肉は皮を上にして(皮を下にすると鍋底に引っ付くことがある)ある程度湯がいたら、同じく小さく刻んでいく。
同時進行で、こちらは竈で置き火作り。先に薪をある程度燃やしておいて、安定した炭火の状態にしておく。
しんめぇ鍋に水をはり、先の三枚肉のゆで汁、椎茸の戻し汁などを加える。
具になる材料を追加。肉、ニンジン、椎茸。
ある程度沸いてきたら、味付け。まずは塩。
続いて、醤油。そしてだしの素。
量はそれぞれ、大きなお玉に一杯ずつ。
このあたりはけっこういい加減でOKのようだ。
味見。
合わせ出汁の味はそのままスープとして飲めるようなあっさりした濃さで、もうこれだけで美味しい。
2時間ばかり洗って水に浸けた米を沸騰した出汁の中に投入。
水から炊かないのがズゥシィ作りの味噌。
投入する時は鍋の真ん中に、注ぎ込むように。
この時、水面から盛り上がった米の山の高さ、これを見て出汁の量を調整する。
まさかの目分量!!
一応、目安は3寸(9cm)ほどだとか。
かき混ぜて、米を均等に均し、その後、これがズゥシィの特徴である、食用油を入れていく。
たっぷり油が浮いています。でも、すでに美味しそう!
蓋をしてグツグツ炊く。
軽く匂いがしてきたら、蓋を開ける。
米の表面にお出汁が浮いていない状態になっている。
だいぶ炊き上がってきた。
そこで、糸芭蕉の葉を表面に敷き詰めていく。
同時に火のついた薪は竈から取り出し、竈の中には置き火だけになるように調整する。
これから蒸しの行程だ。
こんなふうにもう竈の中には炎は見られない。
さらにコゲの匂いまでしたきたら、完全にこの置き炭まで取り去ってしまってもいい。
それでも十分な余熱を竈は蓄えている。
一度、蓋を開け、芭蕉の葉を取り除く。材料のほとんどは浮かんでお米の上に並んでいる。
米の照り具合など見ながら、油を追加。
しっかり、米を裏っ返す。
混ぜるのではなく、裏返すことが大事だとか。
もう一度、芭蕉の葉を被せ、蒸す。
そして完成。食べる寸前で蓋や芭蕉の葉を取り除く。
けっこう火を落としてから時間は経っているのだが、美味しそうな湯気が立ち上る。
刻んだ葱を混ぜ込む。
ただし、明日も食べようと思うのなら、葱は入れない方が長持ちする。
配膳を始めると、公民館に今日のズゥシィを食べに集まったおばあらがウルサイ。
「もっと沢山入れなさい!」と怒られる。
どうもおばあたちにしてもズゥシィは特別なもので大好きなようだ。
南の島の炊き込みご飯、ズゥシィ。
今回の講習、色々なところで、おばあの経験値による采配が現れ、そうした数値化できない部分が大きく、勉強になったとは言えないけれども・・・
いやあ、それにしても美味しかったなあ~。