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父の日のプレゼントのお返し

昨日のプレゼントのお返しに今日はフクを遊びに連れていくことにした。
まだ父の日でもないが、全て前倒し。
ところで、島で遊びといえば、やっぱりアウトドア。
フクも5歳になったので、だいぶ頑張れるようになってきた。

朝、浦内川の9時発の遊覧船に間に合うように家を出る。
友人のガイドが2人、何名かづつのお客さんを連れていて、一緒の船だった。
僕の方は、勿論完全休み。気楽なものだ。
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最後に船を降り、目的のカンピレーの滝に向かって歩き出す。
5歳ゆえ、歩みは遅い。しょうがない。せかさず、しっかり足元を見て歩かせる。
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僕も10年ほど前、今ではなんでもないような、この程度の山道で、酷く足を捻挫したことがある。悪い思い出だ。
しかし、今日も暑い。風があるのが救い。
マリウドの展望台までは、ノンストップで頑張ろうと声をかけ続け、歩く。
とにかく褒め倒す。
「パパ、フクがこんなに歩けるとは知らなかった!すごいよ!見直した!頑張れ!」
「歩く気持ちがなくなると、歩けなくなるから、ずっと歩こうと思って歩いてごらん」
そんなよくわからない言葉も散々投げかける。

45分ぐらいかけて、やっとマリウドの展望台に到着。お茶とお菓子で小休止。
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現在、マリウドには近寄れないので、ここからその大きな姿を眺めるしかない。
沖縄からの観光らしいおばさん達に声をかけられる。
「頑張ってるねえ、何年生?」
「まだ5歳ですよ~」
「すごいねえ!!新記録よ!」
そんなことはないだろうが、フクには嬉しい声援となった。
そこからまだしばらく歩いて、ようやくカンピレーの滝に到着。更に岩盤を上流の方に移動する。
1時間半ほどかかってしまった。
が、フクの顔に興奮の色が広がる。
広い景色、流れる白い水。あちこちにある泳げそうなポットホール。
明らかに山を歩いている時とは表情が違う。
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早速、本日のメインイベントに。
晩御飯のエビフライ用にテナガエビを釣る。
水が流れ込んでいるポットホールを覗き込み、釣り糸を垂れる。
釣れた!!
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いいサイズ。
このぐらいのをなんとか計8匹ほど。

12時半になったので、お昼に。
お昼は現地で即席ラーメン。
ガイド最高のカスタマーサービス、名物「出戸ソバ」は面倒くさいので作りません。
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食べてる間中、周辺を2羽のカラスがウロウロしていた。
きっと、人間が美味しいものを持っているのを知っている奴ら。
不良ガラスだ。石を投げるふりをして何度も追い払うが、すぐ戻る。
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お昼後は滝浴び。
今日は暑かったので格別に気持ちいい。
滝をこれまで怖がっていたフク、生まれて初めて滝を浴びて大興奮。
サンダルを1個流し、慌てて僕が流れの中を拾いに行った。

さて、お迎えの船は2時半発。
1時半になったので慌てて出発。
果たしてこの山道、1時間で到着できるか?

帰りは少し僕がペースを作りながら、フクを頑張らせる。
朝よりも激しく褒め倒す。
「すごいぞ!こんなに歩ける5歳児はいないぞ!頑張れ!これを歩き切ったら、パパのお仕事で行ってる滝だって、フク着いてこれるぞ!」
そして甘い言葉も投げかける。
「船を降りたら、アイスを食べような。ママにいっぱい褒めてもらおうな~」
泣き言も言わず、なんとか歩き続けるフク。
でも顔はもう限界。
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それでも、キシノウエトカゲやキノボリトカゲ、サキシマカナヘビを見つけた時はちょっといい顔が戻ってくる。
一番いい顔だったのは、僕がかってこよなく愛したキノコを見つけた時。
僕と妻のデートのほとんどは「キノコ狩り」だった。
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イグチの仲間だったが、フクがママに持って帰るというのを、写真を撮って捨てさせた。ママは今はキノコをそれほど愛していない。

さて、2時25分、上流船着場になんとかギリギリで到着。
もはや、顔に元気の「ゲ」の字も見られません。
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でも、沢山褒めてあげました。
今日は、フクの中にいる「頑張ろう!頑張れる!という強いフク」が、同じフクの中の「もういやだ!やめたい!しんどい!という弱いフク」に勝てたんだよ~!と抱きしめたら、
「今日のフクは強いフク?」とちゃんと意味が通じている。

船を降りた後は、ちゃんと西表カフェの美味しいスムージーをご馳走してあげました。すっかり元気になったフクセです。

父の日のプレゼントを前倒し

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父の日が近い。
今日、フクを保育所に迎えに行ったら、昨日から2日間かけて作り上げた手作りコーヒーカップをプレゼントしてくれた。
裏にも表にも僕のイラストが入った愛情いっぱい、1.5Lペットボトル製がぶ飲みカップだ。
キラキラの色紙がいっぱいデコレーションしてあって、実際にコーヒーを入れることは難しいが、十分嬉しい記念品である。
どうですか?
よく似てるでしょう?(笑)

西表オブ西表、祖納の捲土重来

祖納は言うまでもなく、西表の元部落で、一番古い歴史と高い誇りを持った村である。昔は小さな手漕ぎの舟で皆、仲良川の奥まで漕いで行き、稲作りをし、時には海も渡った。だから、祖納の人は皆、船漕ぎが上手であり、その操作も巧みだったという。
その祖納公民館がここ長い間、白浜海神祭のハーリー競漕で勝てていない。島の先輩に聞いても、う~ん、最後に勝ったのはいつだったかなあ・・・と思い出せない始末。
そんな中、今年、新たに公民館長に選ばれた熱い大先輩と、サーフスキーの日本代表である更に熱い先輩とが立ち上がった。
「オジイ、オバアはどんどん死んでいく。この人たちに一度ぐらい祖納が勝つところを見せてあげよう」
そういうことで、祖納でのハーリーに向けての練習は5月20日から始まった。まだ当の白浜公民館が船すら出していない時期である。
練習は朝の6時から。
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今までは夕方練習だったが、人の集まりを考えれば朝がいいとのこと。
僕は両手首を痛め、早々にメンバーから脱落してしまったが、メンバーは雨の日も風で大時化の日も、先輩達に怒鳴られながらも、「なにくそ」と意地で船を漕いだ。
漕ぎ方も皆が揃い、白浜コース上での記録も最終盤にかけて日一日と伸び続けた。最後は14日の早朝、決戦の地白浜。誰もいない静かな港で、ライバルの白浜チーム、干立チームの記録を圧倒的に抜かした上での漕ぎ締めだった。
翌日15日。海神祭当日。
祖納公民館に朝から船子が集まり、ずっと練習期間中、お世話になった祖納の船に清めのマースとグシ(酒)を捧げてそれを廻す。
皆の顔が頼もしく見えた。

9時前の白浜。
かなり南風がきついので、オンショアで波が立っている。行きが向かい風、帰りが追い風。この状況は、祖納西泊浜でずっと練習してきた状況と同じだ(その時は強い北風だったが、同じ行きが向かい、帰りが追いになる)。祖納にはよい風。
が、よくない話が聞こえた。
祖納チームは婦人会も公民館チームも、最も重くて回転が難しく、足が遅いと言われる青の船に決まったという。
聞けば、籤引きの時間を間違っていた為、籤引きに現れなかった祖納チームは最初から皆が避ける青を割り当てられたという。まさか、そんなズルイことをするはずがない。3公民館が引いた残りが青だっただけでは?
だが、青の船なのは現実。
クソ!こんなに練習してきたのに!
確かに青の船での記録は他の3艘での記録から見れば段違いに遅い。
大丈夫か?

最初に職域レースが行われた。第1レース、一番不利な青のコースを引いたのは東海大学チーム。毎年変わらぬダントツの優勝候補。公民館チームを指導した熱い先輩も乗っている。そして、他のコースには、ダイビング組合、カヌー組合など、それぞれ上位候補が揃う。そんな中、東海大チームは他を寄せ付けず圧勝。
ゲンがいい。

そして、公民館チームと同じようにきつい練習を繰り返した祖納が出る婦人会対抗レース。
ピンクのTシャツを新調して、挑んだ婦人。やはり同じく青の船。
スタートはバッチリだった。青の船は力強く進んだ。沖の旗を回り、折り返した時は一番。
が、そこで船のハンデが出た。回りにくい青の船は男子よりも女子の方でハンデが大きい。青の船は前乗り、仮船頭、船頭の3人で回さなければ、回転しにくいのだが、婦人の場合は船頭だけでこれをしなければならず、回ったところで急激にスピードが落ちてしまう。
後半戦、祖納の船が伸びない。
そこに白浜婦人の白の船が追い込みをかける。必死で漕ぐ、女子たち。
だが、最後に白浜にかわされてしまった。
胸が詰まる。
準優勝。
泣いている女子が見えた。昨年も準優勝。同じように涙があったが、あれは4位から這い上がった。ここまで頑張れた。そういう歓喜の涙だった。
だが、今年は違う。
優勝できなかった。そういう悔し涙に見えた。
公民館男子は婦人にかける言葉もないように見えた。
すぐに自分達のレースだ。
気持ちを切り替えられているだろうか。
婦人の悔しさを心に刻んで・・・

ピストルの合図とともに4公民館の船が飛び出した。
祖納はタイミングが悪く、スタートは3番目。
だが、すぐにスピードに乗る。
深く力強く水をえぐる男達のヤコが完璧に揃っている。
最初の折り返しの旗までは1位かもしくは2位か。
回転してもスピードが落ちない。
そのまま1位で2回目の折り返しの旗も曲がる。
そこであわや、となりの船浮公民館の船と当たりそうになる。
が、スピードは落とさずに、最後の折り返しの旗を回ることができた。
ここまで1位だ。
だが、すぐ後ろに白浜の船。
ここで、祖納の船の船足が少し鈍った気がした。
もしかすると、逆で、軽い白浜の船が伸びてきていたのかもしれない。
ビデオ係だった僕だが、思わず大声で叫んでしまう。
「イケ!いけー!祖納イケー!」
届くはずもない声援だったが、
男達は再び深く力強くヤコを動かし始める。
上半身も深く船に沈み込む。
そのリズム、息遣いが場を支配している。
再び伸び始めた男達の乗る青の船。
そしてそのまま祖納公民館は、追いすがる白浜の船を振りちぎってゴールに飛び込んだ。
そこから後は覚えていない。
爆発だ。
割れんばかりの歓声。
その祖納の人々が歓喜の輪を作る中に僕も混ざっていた。
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疲れ果てた男達も見守った女達も、みんなが笑顔だったが、どれもこれも涙と鼻水と海水とでどうしようもなく、グショグショだ。
かっこいい。羨ましい。よかったなあ。
後から聞けば13年ぶりの優勝だそうな。
しかし、祖納の先輩曰く、いやあ、もっと前だろう?とのこと。
どっちでもいいが、とにかく本当に久しぶりに優勝した。
有言実行を果たした祖納公民館チーム。
たまたま勝ったわけではない。勝つべく努力し尽くしたうえで勝った。
これは本当に本当にすごいことだと思う。

が、誰かが言っていた

一日海遊び

今日も仕事がないのでフクと海遊び。
まずはカヌー。
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写真では分からないがかなり風が強く、リーフでは白波が立っていた。
目的のビーチに行くのはやめにして、まるま盆山の見えるリーフ内でのみ遊ぶことにした。ちなみに、フクは昨晩、怒られて泣いたまま眠った為、見事な一重瞼になっております。

せっかく波があるので、ドンブラコゲーム!なんて叫んで、何度も大きな波を乗り越え、(バウが軽いので波を乗り越える度に、バン!と海面に叩きつけられるのが楽しいらしい)また逆にサーフィンし、1時間以上遊んでみた。
しばらくして疲れたので、近くの砂浜に上ってみたら、
「酔った・・・・」と下向くフク。
遊びすぎた。すまない。
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船から下りてからは反対の浜へハマグリ採りに。潮干狩りはフクの得意な遊び。沢山採って、これは明日のお味噌汁。

お昼を挟んで、今度は潮の引いた海をまるま盆山まで歩く。
こんな中を歩いたことがない、というのでアイちゃんも一緒に連れて行く。
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大潮なのでかなり潮は引いている。浅い水溜りに残されたアバサーが何匹もいて、なかなか可愛い。フクの好きな青いヒトデに、変わったウニ。
そしてニモも沢山見つけた。
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気付けば、海には白い花が沢山浮かんでいた。
そう、今日はウミショウブが開花する日。
風に流れて雌花にキャッチされる雄花たち。
3人で楽しく観察できました。

美容室アイ開店

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スタッフのアイちゃんも島で住んで行くに十分な技を持っていた。
それが美容師の腕。
一芸あれば重宝されるのがこの島であるが、(本当はなんでも出来る人間が一番重宝される。ここが僕が教わってきた「一つのことに一流になれ」という哲学とは相容れない部分だ)美容院の少ない中、これは助かる。

早速、フクが実験台に。
着付けの時はあんなにじっとしていたくせに、髪を切るとなるとじっとしていられません。そこで、せめてフクが鏡の中の自分を見つめられるように、と玄関に姿見を移動。
なんとか、完成までこぎつけました。
うん、かわいく切れている。

僕の好きな「おしとやかサラサラロング」になるまで、きれいに揃えてあげて下さい。

プロガイドワークショップ西表島

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NZから特別な講師を招いてのプロガイド向けのワークショップが干立で行われた。主催はぱいしぃず近澤さん。参加業者は7業者でガイド12人。
「高い意識を持っている人が西表のガイド全体の10分の1もいるというのは素晴らしい!!十分変革を起こせる人数です!」と言ってくれた講師はRYUタカハシ。NZでプロガイドとしての国家資格を持ち、また現在は一線を退いて、後進の指導にあたっておられる人物だ。
まずは集合時、最初に津波、地震などの時の緊急避難集合場所を説明されたのには驚いた。そんなのは普通、受ける側も考えていない。
そこからか!!
このワークショップ(以下PGW)はガイドとは何か?というプロガイド哲学に沿って、お互いが色々なアイデアを出し合いながら学ぶ場である。
実技でも、修練の場というよりは、そこで色々発見して、各自でお土産を持ち帰り、別の場で各自修練という感じ。その為、消化しきれないほどのテクニックが紹介されるし、これは無理だろう?というような状況でのレスキューについても考え、実践してみる。
すごい場である。

ちなみにプロのツアーガイドとは、「お客さんを危険に曝すことなく、楽しませる」ガイドのことであり、危険のみを管理するエクスペディションガイドや、自分との戦い、記録との戦い、を求める冒険家ではない。
世の中には速い、スゴイ(遠征記録を持つ)、アマチュアカヤッカーが幾らでもいるが、我々は彼らのように「速く」ある必要も、「スゴイ」肩書きも必要ない。
肝心なのは、危険を避けることとお客さんを楽しませることである。
荒れた海を予測し、事前に避けることも必要だし、荒れてしまった海で、なんとか大事に陥らない術を持っておくことが必要だ。そして勿論、楽しい話術に空気の作り方も必要となる。リスクマネージメントとカスタマーケア、この2つが交差する地点で事故は起こる。この危険性を認識して避けられるかどうか。
そこが、ガイドとしての腕となる。
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いやあ、しかし楽しかったなあ。
潜水艦のような満水状態のタンデム艇を漕ぐ実験や、意識を失った人をカヤックに引き上げる方法、牽引時のガイド沈、牽引時のお客さん沈。
想像するだけで、恐ろしいシチュエーションでのレスキュー。
引き出しが多いということは、それだけ、対処できる方法があるということだな。

ちなみにこのPGWの模様はNHK沖縄放送で朝と夕方のニュースの中で取り上げられたそうです。

バラス島へ

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天気が良さそうだったので、友人のお店(Passo)にお願いしてバラス島へ。僕とフクとアイちゃんで連れてきてもらった。
本当は今日の午前中の予定だったが、昼からお客さんが入ったとのことで、午後のツアーに変更。
そうしたら、昼後、ちょっと天候が悪化。
北風・・・しかも青空がない!!!
うむむむ
僕は平気だが・・・・
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案の定、上ったとたんに寒がるフク、そしてアイちゃん。
脂肪なさすぎ。
僕はナチュラルウェットスーツのおかげで全然平気なのだが。
フクなんかは唇を紫色に変えている。
しょうがないので、ライフジャケットなんかを入れてきた道具箱にフクを入れて、横たわらせる。これで風当たりがかなり違うだろう。
まさしく箱入り娘。

今度は天気のいい日に来て見たいなあ。