そして、夕方。
青年たちが丸一日、12時間を費やして作り上げた巨大なオヅナ、メヅナが向かい合って並ぶ十字路に、神司を先頭にして各オガミの氏子たちが入場してくる。
綱の周りに集まった青年たちの「ユイ!サー!ユイ!サー!」と世果報を引き込む大きな動作と張り裂けんばかりの大声に迎えられて。
十字路に到着した一行を取り囲んで、「さあ!さあ!さあ!さあ!」と全員でガーリが行われる。
この瞬間、青年たちの祭への情熱が爆発する。
爆発する!
子供だって負けてはいない。
何日もかけて一から作り上げた御神輿を担ぎ上げ、走る。全力で回す。放り投げる。
情熱だ!
そしていよいよ綱引きが行われる。
一月も前から、始まったこの日の準備。住民総出の田んぼでの藁取り。そして青年だけでの藁取り。品取り(ご馳走の材料を現地調達すること)。
前夜祭。チナカキ。
全ての苦労はこの一瞬の為。
勝負は見事、西の勝ち。来年も豊年なり。
写真?
撮ってるはずがないでしょう!